就業規則違反した社員への対応(罰則・解雇)
■就業規則違反と懲戒
就業規則違反は懲戒事由になるのが一般的です。したがって、使用者は懲戒権を行使し戒告・減給・停職・懲戒解雇などの処分をできます。ただし、その行使には細心の注意が求められます。社会的相当性がない懲戒権の行使は無効になると法律で規定されているからです。
■懲戒権行使の条件
懲戒処分をするためには、あらかじめ就業規則に懲戒事由を明示しておく必要があります。なにが懲戒事由なのか明示することで、労働者に注意を促すと同時に異議申し立ての余地を与えなければならないからです。
また処分の内容も就業規則違反の内容に照らして相当なものに留めなければなりません。戒告程度で十分な就業規則違反に対して減給や解雇など必要以上に重い処分を課すことは認められません。
■懲戒解雇の条件
上述の通り懲戒処分は就業規則違反の内容に照らして相当な範囲に留めなければなりません。したがって、最も重い懲戒解雇が認められるのは、極めて重大な就業規則違反に限定されます。就業規則の内容も合理的内容に限定され解釈され、「会社に損害を与えた」など文面上懲戒事由にあたる行為であっても、背任罪が成立する場合に限定するなど、懲戒解雇もやむを得ない場合に限定して解釈されます。このように懲戒解雇にあたっては慎重の上に慎重を期する必要があります。
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