03-5512-8151
対応時間
平日10時~20時
定休日
土・日・祝日

※事前予約で休日対応可能

企業が取り組めるハラスメント防止対策/弁護士 熊谷 博幸

弁護士 熊谷博幸 > 労働法務(使用者側) > 企業が取り組めるハラスメント防止対策

企業が取り組めるハラスメント防止対策

近年では、コンプライアンスの重視に伴い、ハラスメントが問題視されるようになってきました。また、2019年に厚生労働省が「職場におけるハラスメント関係指針」というガイドラインを作成し、2021年6月1日より職場のハラスメント対策の義務化が決定されました。このように、法律によりハラスメント対策が義務化される中で、企業も職場内における様々なハラスメントに、どのように対処すれば良いかを考える必要が出てきています。

 

ハラスメントと一口に言っても、様々な種類のものがあります。セクシュアルハラスメント(セクハラ)は問題視されて久しいですが、パワーハラスメント(パワハラ)やモラルハラスメント(モラハラ)など、セクハラとは異なるタイプのハラスメントも近年では問題視されるようになってきています。

 

法律上、セクハラを直接定義した規定はありません(パワハラの定義も法律上はありません)。しかしながら、男女雇用機会均等法11条1項には、「事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない」とあります。つまり、ここでセクハラは「職場において行われる性的な言動」に対する労働者(言われた側)の対応により、職場の労働条件に不利益を受けたり就業環境が害されることをいいます。

 

上の定義に当てはまるセクハラを行なった労働者(加害者)には、国ではなく企業(事業主)が、基本的に自主的解決をしていく必要があります(男女雇用機会均等法15条)。セクハラを放置したままであると、職場内の規律・精神環境が害されるため、企業としても加害者に対して懲戒処分等の厳格な対応をなす必要があります。ただ、事実確認を怠ってはならないことは明らかです。
また、事業主はセクハラを防止するような研修の実施、その他の必要な配慮を講ずる努力をしなければなりません(同法11条の2第2項)。

 

セクハラに加え,パワハラ(モラハラ)も近年問題視されるようになってきました。パワハラの具体例としては、陰口・悪口や職場内で特定の社員を孤立させるような行為をあげることができます。また、退職勧奨そのものは違法な行為ではないですが、過度な退職勧奨はパワハラとして認定される可能性があります。

 

以上のようなハラスメントが生じた際に、企業はどのように対応すれば良いのでしょうか。それは第1に、定期的に企業がハラスメント防止に関する啓発講座を設けること、第2に、企業がハラスメントに関するオープンな相談窓口を設けること、そして第3に、透明性を保持しながらハラスメントの相手の事情を聞き公平に厳重注意・謹慎処分・解雇などの処分決定を行うことが対処法になると考えられます。

 

円満な解決を図るためにも、上記の対策をしっかりとしておくことが重要です。会社が主体的にハラスメントをなくそうと動かなければ、ハラスメントは消えません。

 

飯野・八代法律事務所では、一都三県、大宮(埼玉)、茨城県の皆様から、企業法務全般、労働問題(雇用主側)、不動産、一般民事・家事に関するご相談を承っております。
労働法務についてご不明な点がある方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

当事務所が提供する基礎知識

  • 労働契約書の作成

    ⬛︎労働契約書の必要性労働条件通知書や雇用契約書は、正社員に限らずパートやアルバイト・契約社員であっても、雇用時に明示す...

  • 大宮の離婚問題は弁護士に...

    夫婦間での仲がうまくいかなくなってしまった場合、離婚を選択する人もいるでしょう。しかし、離婚するにあたっても、決めなけれ...

  • コンプライアンスマニュア...

    ⬛︎コンプライアンスマニュアルとはそもそもコンプライアンスとは、法律や倫理に従って業務を行えるようシステムを整えることを...

  • 就業規則違反した社員への...

    ■就業規則違反と懲戒就業規則違反は懲戒事由になるのが一般的です。したがって、使用者は懲戒権を行使し戒告・減給・停職・懲戒...

  • 相続問題

    相続問題は、多くの場合、ご遺族様が深い悲しみに沈んでいる際に発生するものです。「故人の遺産はどの程度あったのか」「動産や...

  • 労働法務とは

    ⬛︎労働法務とは労働法務とは会社と従業員の紛争を未然に防止し、紛争が発生してしまった際には適切な解決に導く法務です。また...

  • 契約書チェック・レビュー...

    ⬛︎弁護士が契約書をチェックするメリット弁護士は法律のプロであり、また紛争のプロなので、契約書から法的な問題やトラブルに...

  • 民事再生と会社更生の違い

    債務超過に陥るなどして、自力では経営する事業の立て直しが困難であるような場合には、倒産処理を行うことで救済を受けることが...

  • 契約書作成とリーガルチェ...

    ⬛︎契約書の作成・リーガルチェック契約をするにあたって、契約書の作成を弁護士に委任することができます。また自社で作成した...

  • 強制退去の流れと弁護士に...

    借家人が長期間家賃を滞納している場合などでは、強制退去を検討することになります。家賃滞納を原因とする強制退去の流れとして...

よく検索されるキーワード

弁護士紹介

弁護士 熊谷 博幸 (くまがい ひろゆき)
所属 第一東京弁護士会
所属事務所 飯野・八代法律事務所
所在地 〒100-0011 東京都千代田区内幸町2-2-2 富国生命ビル15階
電話番号/FAX番号 03-5512-8151 / 03-5512-8155
対応時間 平日10時~20時
定休日 土・日・祝日(※事前予約で休日対応可能)
著作等

共著『詳解 働き方改革関連法』労働開発研究会 2019年7月

共著『第2版 実務コンメンタール労働基準法・労働契約法』労務行政研究所
2020年03月 令和2年3月31日現在

ページトップへ