03-5512-8151
対応時間
平日10時~20時
定休日
土・日・祝日

※事前予約で休日対応可能

従業員から未払いの残業代を請求された時の対応/弁護士 熊谷 博幸

弁護士 熊谷博幸 > 労働法務(使用者側) > 従業員から未払いの残業代を請求された時の対応

従業員から未払いの残業代を請求された時の対応

会社の従業員から未払いの残業代の請求を受けたときに、どのような対応をすることができるでしょうか。まずは、従業員が請求してきた未払いの残業代が、本当に正しいものであるのかを確認することが重要です。

 

従業員が残業としている作業が、残業の対象でないこともあります。残業を禁止している会社である場合や、残業する場合には上司の許可がいるものの、その許可を取らずに作業をしていた場合には、残業代が支払われないと主張することはできるでしょう。もっとも、業務時間以内に対処することのできないほどの業務量を課したり、業務時間外に作業をすることを知りつつも、何も言わない場合には、会社が「黙示の命令」を課したとして残業代を支払わなければならなくことがあることに注意してください。

 

また、残業代債権が時効により消滅していることもあります。時効により消滅する(消滅時効)というのは、債権を自己が行使できることを知っていながらも数年放置していた場合に、債権が消滅することを意味します。残業代債権が消滅時効にかかり消滅していることもあります。以前は、残業代債権は1年で消滅時効にかかっていましたが、民法が改正されたことに伴い、残業代債権の消滅時効は5年に延長されました。

 

さらに、管理職に対しては残業を支払う義務が会社にないこともあります。法律上、管理職は監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者(管理監督者)であり、管理監督者がここでの管理職にあたります。このように、一般的な管理職よりも狭く定義づけられており、法律上管理監督者であると言えるためには、経営者と一体となって会社経営に関わっていること、出退勤の裁量が広く労務管理を受けていないこと、立場に見合った給与を受け取っていることなどが条件になります。

 

残業代を請求されたときには、実際に会社の側から残業代を割り出すのがもっとも手っ取り早い方法でしょう。これで、従業員により請求された未払いの残業代が一致していたら、支払うしかないでしょう。また、ある従業員の行為が残業に含まれるか否か決着し難いこともあります。例えば職場での仮眠がその例であります。実際に職場での仮眠が裁判で争われたケースもあり、会社側が負けることもあります。このように、残業に入るかグレーゾーンの場合には、弁護士に相談することが有意義になります。

 

飯野・八代法律事務所では、一都三県、大宮(埼玉)、茨城県の皆様から、企業法務全般、労働問題(雇用主側)、不動産、一般民事・家事に関するご相談を承っております。
労働法務についてご不明な点がある方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

当事務所が提供する基礎知識

  • 相続問題

    相続問題は、多くの場合、ご遺族様が深い悲しみに沈んでいる際に発生するものです。「故人の遺産はどの程度あったのか」「動産や...

  • 企業が取り組めるハラスメ...

    近年では、コンプライアンスの重視に伴い、ハラスメントが問題視されるようになってきました。また、2019年に厚生労働省が「...

  • テレワーク・リモートワー...

    テレワーク、リモートワークは感染症の予防、通勤時間などの削減による労働者の負担軽減などさまざまなメリットがあります。その...

  • 企業法務とは

    ⬛︎企業法務企業法務とは、契約書のチェックや労働問題対策、企業再生など企業活動を支えるための法務活動のことです。その内容...

  • 労働契約書の作成

    ⬛︎労働契約書の必要性労働条件通知書や雇用契約書は、正社員に限らずパートやアルバイト・契約社員であっても、雇用時に明示す...

  • 企業再生の流れ

    ⬛︎企業再生とは企業再生とは倒産状態や倒産の危機にある企業の経営を安定化させることです。不採算事業の整理や赤字事業の見直...

  • 離婚の流れ

    「離婚したいと考えているが、まず何から手を付けたら良いのか分からない」「離婚に関しての知識がなく、自分の行動が正しいのか...

  • 解雇予告とは

    昨今のコロナ禍で、経営不振により従業員の解雇を余儀なくされている企業も少なくありません。しかし、解雇の方法によっては、様...

  • 従業員から未払いの残業代...

    会社の従業員から未払いの残業代の請求を受けたときに、どのような対応をすることができるでしょうか。まずは、従業員が請求して...

  • 強制退去の流れと弁護士に...

    借家人が長期間家賃を滞納している場合などでは、強制退去を検討することになります。家賃滞納を原因とする強制退去の流れとして...

よく検索されるキーワード

弁護士紹介

弁護士 熊谷 博幸 (くまがい ひろゆき)
所属 第一東京弁護士会
所属事務所 飯野・八代法律事務所
所在地 〒100-0011 東京都千代田区内幸町2-2-2 富国生命ビル15階
電話番号/FAX番号 03-5512-8151 / 03-5512-8155
対応時間 平日10時~20時
定休日 土・日・祝日(※事前予約で休日対応可能)
著作等

共著『詳解 働き方改革関連法』労働開発研究会 2019年7月

共著『第2版 実務コンメンタール労働基準法・労働契約法』労務行政研究所
2020年03月 令和2年3月31日現在

ページトップへ